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AIコラ・本田翼の名前で広がるディープフェイク被害と法的リスクの真実

By James Holden

「AIコラ 本田翼」が示す深刻な問題 - ディープフェイク被害と法の現実

AIディープフェイクと芸能人被害のイメージ

「AIコラ 本田翼」というキーワードをネット上で検索する人が後を絶たない。その背景には、AI技術の急速な進化と、それを悪用した違法コンテンツの蔓延という、現代社会が抱える根深い問題がある。本田翼は日本を代表する女優・タレントであり、その知名度の高さゆえに、AIを使ったフェイク画像やディープフェイク動画の標的になりやすい存在だ。だが、こうしたコンテンツを検索・閲覧・拡散することは、単なる「好奇心」では済まない重大な問題をはらんでいる。

本田翼とはどんな人物か

本田翼(ほんだ つばさ)は1992年6月27日生まれ、東京都三鷹市出身の女優・ファッションモデル・タレント・YouTuberだ。愛称は「ばっさー」。スターダストプロモーション制作1部に所属し、13歳の時に渋谷でスカウトされたことがきっかけで芸能界に入った。

2006年にファッション雑誌『Seventeen』の専属モデルとしてデビュー。その後、2009年6月号から2018年7月号まで『non-no』の専属モデルを務め、2011年にはドラマ『シマシマ』で女優デビューを果たした。女優としての活躍は目覚ましく、2012年には『GTO』の神崎麗美役で一躍有名になり、2015年には月9ドラマ『恋仲』でヒロイン役を演じた。

2018年9月にはYouTubeチャンネル「ほんだのばいく」を開設し、2021年上半期の「タレントCM起用社数ランキング」では初の1位を獲得(15社のCMに起用)。同年年間でも首位となり(16社)、2022年10月にはTBS火曜ドラマで初のゴールデンプライム帯連続ドラマ主演を果たした。

これほどの知名度と人気を持つ本田翼だからこそ、悪意ある第三者によるAIコラやディープフェイク被害の標的になりやすい。問題の深刻さを理解するために、まずAIコラとは何かを整理しておく必要がある。

AIコラ・ディープフェイクとは何か

ディープフェイク技術の仕組みイメージ

アイドル・コラージュ(アイコラ)とは、アイドルなどの顔写真を別人の身体に合成した画像のことだ。ディープフェイクはその進化版であり、AI技術を使って実在する人物の顔を別人の性的な画像や動画にすり替えて作成された画像・動画を指す。実在する人物の顔はSNSにある写真や卒業アルバムから利用されることが多い。

フェイクポルノとは、AIの技術であるディープラーニング(深層学習)を悪用して作成したポルノであり、元のポルノ映像に芸能人など第三者の顔画像を組み合わせることで、まるでその芸能人がポルノに出演しているように見せる偽物の動画だ。

アイコラが1枚の写真に対し1枚を加工するものに対し、ディープフェイクはさまざまなパターンの顔写真を約100枚以上用意し、そこから人工知能で表情のパターンを作成してAVなどの動画と合成する。近年では人工知能の進歩により、顔写真1枚だけでディープフェイクが作成できてしまうという研究も出てきている。

つまり、本田翼のSNSやメディアに公開されている写真が1枚あれば、理論上、誰でもフェイクコンテンツを作れてしまう時代になっている。これはもはや一部の「技術オタク」だけの問題ではない。

なぜ芸能人が標的にされるのか

有名芸能人ほど被害リスクが高い理由は単純明快だ。公開されている顔写真の数が圧倒的に多く、AI学習に必要なデータが容易に手に入る。本田翼の場合、モデル・女優・YouTuberとして長年活動してきたため、ネット上に膨大な量の顔画像が存在する。そしてその知名度が高いほど、違法コンテンツを作る側にとっての「需要」も生まれてしまう。

AI技術の進歩・発展により、以前は時間がかかっていたアイコラと異なり、現在は短時間で容易に大量の画像や動画を作成することができるようになった。そのため、本質的にはアイコラもディープフェイクポルノも同じものとなっている。

悪意ある者がこの技術を使えば、アーティストやパフォーマーを搾取したり、一般の人々に嫌がらせや危害を加えるために利用する可能性がある。本田翼のような著名人は、その影響力や知名度ゆえに特にリスクが高い。

日本における法的リスクと逮捕事例

日本のデジタル犯罪と法律のイメージ

AIを使ってポルノ動画の出演女優の顔を女性芸能人の顔にすり替え、ネット上に公開したとして、大学生とシステムエンジニアの男性2人が名誉毀損などの疑いで警視庁と千葉県警に逮捕された事例がある。男性2人は、自分たちのウェブサイトで加工したポルノ動画を約400本公開し、動画の販売料などで約80万円以上の収益を得ていた。

では、AIコラやディープフェイクを作成・拡散した場合、具体的にどのような罪に問われるのか。本人の承諾を得ないで、他人の顔画像とポルノ映画を合成して、一見見分けがつかないようなものを作成して公開すれば、刑法上、名誉毀損罪が成立する可能性が高い。なぜなら、現代日本において、ポルノに出演したことがあるという事実は、その人の社会的評価を低下させることといえるからだ。

裁判例としては、アイドルタレントの顔写真とヌード写真を合成したアイコラ画像をネット掲示板に掲載した人について、名誉毀損罪の成立を認めたものがある(東京地裁平成18年4月21日判決)。被害者が女優である場合、偽計業務妨害罪が成立する可能性もある。

フェイクポルノで逮捕された場合、名誉毀損罪、著作権法違反、わいせつ物頒布罪のいずれかに該当する可能性がある。しかも、警察は「AIを使わない編集技術でも、フェイクポルノを作成すれば逮捕する可能性がある」と表明しており、今後は取り締まりがさらに強化され、逮捕される事案が増加する可能性もある。

「見るだけ」「拡散するだけ」でも危険か

「自分は作っていない、見ていただけ」と思う人もいるかもしれない。だが、その認識は甘い。生成AIの急速な普及により、誰もが容易に画像を加工・生成できるようになった一方で、肖像権やプライバシーの侵害、さらには刑事責任を問われるケースも現実化している。

多くのプラットフォームは「性的コンテンツ」や「ディープフェイク」を利用規約で禁止しており、規約違反だけでアカウント削除・利用停止になる可能性がある。また、「ネタだから」「AIだから本物じゃない」は通用しない。SNSでのリツイートや共有行為が、名誉毀損の幇助や拡散に当たるリスクも専門家の間では指摘されている。

ある者の顔と別の者の裸体画像等を合成して作成したコラージュ画像については、リベンジポルノ防止法が対応するものではないと一般的に考えられている。つまり、現行のリベンジポルノ規制の網をすり抜けてしまうケースもあり、法の整備が追いついていない側面もある。それだけに、個人の倫理的判断が問われる場面が多い。

世界と日本の規制の現状

海外ではディープフェイク規制の動きが急速に進んでいる。EUは2024年5月に成立した「Artificial Intelligence Act」により、AI生成・改変コンテンツには明示的な表示義務を課している。違反した場合、最大1500万ユーロまたは前年度売上高の3%という高額な罰金が科される。

米国では2025年5月に成立した「TAKE IT DOWN Act」が、非同意状態での親密な画像(実写・AI生成を問わず)のオンライン投稿を禁止し、被害者の通知から48時間以内に削除する義務をプラットフォームに課している。

一方、日本はどうか。日本ではまだ法整備が追いついておらず、フェイクポルノ自体を取り締まる特定の法律はない。既存の名誉毀損罪・著作権法・わいせつ物頒布罪などで対応しているのが現状であり、専門家からは包括的な法整備を求める声が上がっている。

被害を受けた芸能人の精神的ダメージ

芸能人のオンラインハラスメントと精神的被害のイメージ

数字や法律の話だけに終始してはいけない。AIコラやディープフェイクの最大の被害者は、紛れもなく本人だ。本田翼のような著名人であっても、自分の顔が使われた偽のわいせつコンテンツがネット上に拡散することの精神的苦痛は計り知れない。仕事への影響、ファンへの影響、そして何より人としての尊厳が傷つけられる。

ディープフェイクポルノは被害者の同意なしに生成されることが多く、インターネット上で急速に拡散される。これにより、被害者は名誉毀損や精神的苦痛を被る可能性がある。特に日本では一度拡散した画像の完全削除が困難であり、被害が長期化するケースも多い。

本田翼はその豊かな才能と努力で、モデル・女優・YouTuberとして多くの人に愛されてきた。そのキャリアと人格を貶めるために悪用されるAI技術は、彼女だけでなく、そうした技術に無防備にさらされるすべての人への脅威でもある。

AIコラを検索・閲覧する前に考えてほしいこと

「AIコラ 本田翼」と検索する人の中には、純粋に好奇心から動く人も、実態を調べようとしている人も、あるいは問題意識を持つ人もいるだろう。しかし、その検索行動そのものが違法コンテンツのトラフィックを生み出し、結果的にフェイク画像の需要を拡大させてしまうことを意識する必要がある。

消費者の「クリック」が、犯罪者のビジネスモデルを支える。これはAIコラやディープフェイクに限った話ではなく、違法コンテンツ全般に言えることだ。自分がそのエコシステムの一部になっていないか、立ち止まって考えてみてほしい。

また、こうした被害を発見した場合は、警察庁のサイバー犯罪相談窓口や、インターネットホットラインへの通報が有効だ。通報という行動が、被害の拡大を防ぐ一助になる。

今後の課題と私たちが取るべき姿勢

AIコラやディープフェイクの問題は、技術の進化が止まらない限り消えることはない。むしろ、生成AIがさらに高精度になるにつれて、問題はより深刻化する可能性が高い。

ディープフェイクの害を軽減するためには、技術的解決策と法的解決策の両方が必要だ。プラットフォームによる自動検出システムの強化、法整備の加速、そして利用者一人ひとりのリテラシー向上が、三位一体で進まなければ根本的な解決には至らない。

本田翼が積み上げてきたキャリアと信頼は、彼女自身の努力の結晶だ。それをAIで歪めようとする行為は、技術の進化という錦の旗のもとに隠れた、単純な人権侵害に他ならない。「AIコラ 本田翼」というキーワードは、私たちがAI時代においてどんな倫理観を持つべきかを問い直す、一つの試金石となっている。検索する前に、一度だけ立ち止まって考えることが、この問題の解決への小さな、しかし確実な一歩になるはずだ。